肘・肩のスポーツ障害

肘・肩のスポーツ障害とは

肘・肩のスポーツ障害の主な種類

  • photo2

    スポーツによって肘や肩にいろいろな障害が起こります。そのスポーツの名前をとったテニス肘、ゴルフ肘などと呼ぶものや、投球障害、腱板損傷と様々なスポーツ障害が存在します。しかし同じスポーツでも使い方や、個人の癖、障害の程度によって痛み方や、痛む部位が違うことがあります。ここでは、肘や肩に関わるスポーツ障害についてご紹介いたします。

投球障害

投球障害とは、野球、ソフトボールなどに代表される球を「投げる」動作によって起こる障害のことを言います。
主に、肩の痛み・肘の痛みがほとんどです。 一般的に、「野球肩」「野球肘」として広く知られています。
年齢的には小学生や中学生などの発育期に多く起きます。
しかし、成人になっても投球を行う事により、投球障害が起こるケースも稀ではありません。
投球障害が起きる1つの原因としてオーバーワークが挙げられます。
肩・肘へ疲労が蓄積し除々に筋肉・関節・靭帯などに炎症が生じ、投球障害が起こります。
2つ目の原因として挙げられるのは、筋力不足や体の硬さから来る投球時の負担です。
投球動作は全身運動ですので、下半身・体幹・上肢の、バランスの良い筋力が必要なのですが、その筋力が不足したまま投球を行うことで、投球障害が起きます。
投球障害を改善するには、専門的なトレーニング、フォーム改善、投球前後のケアなどを行う必要があります。

腱板損傷

腱板損傷とは、肩の深部にある肩腱板という腱性組織の損傷の事を指します。
腱板は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つからなります。 その中で最も傷みやすいのが棘上筋腱です。
肩腱板損傷は、40歳以上の男性の右肩に好発します。
全体の割合は男性が6割で女性が4割です。 発症年齢のピークは60代と言われています。
損傷の原因として、半数は明らかな外傷によるものですが、残りは明確な原因はなく、日常生活動作のなかで断裂が起きるのです。 肩腱板は骨と骨(肩峰)と上腕骨頭にはさまれているので、損傷されやすく、また老化によっても変性するのです。
男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となっていると考えられています。
損傷は大きく二種類、完全断裂と不全断裂に分けることが出来ます。

テニス肘

テニス肘とは、外側上顆に炎症に炎症を起こした状態です。テニス愛好家に生じやすいため、テニス肘と呼ばれています。
ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みがあります。多くの場合、安静時の痛みはありません。
一般的には、年齢とともに肘の腱が痛み、発症します。
病態や原因については十分には解明されていませんが、主に短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。
テニス肘を改善するには、手首や指のストレッチ、スポーツや手を使う作業を控える、テニス肘用のバンドを装着するなどで改善していきます。

ゴルフ肘

ゴルフ肘とは、上腕内側上顆炎のことを、ゴルフ肘と言います。安静にしているときはほとんど痛みはありません。
ただし、特定の動きをすると、肘の内側に疼痛が生じたり、内側上顆部を押すと、痛んだり不快な感覚が生じます。
ゴルフ肘は、上腕(肘から先)の筋肉の緊張により、上腕骨内側上顆に負担がかかって起こるため、肘から先の動きが大きく影響してきます。
手首をひねる動作は、手首の関節の動きだと思われがちです。 実は、肘関節と連動した動きなのです。
実際、手首を逆の手で握っててこの動作を行ってみてください。 指や手首の動きと、肘は連動していることが分かります。
そのため、手打ちのスイングをするゴルファーはゴルフ肘を発症するのです。